CADの構成情報と設計変更について

CADの図面構成情報の利用と設計変更

新製品の開発サイクルが短くなり、それを早く生産に結び付けるために生産用の構成情報(製品構成マスター)を素早く作ることが重要な課題になってきました。
そこで、CADが持つ図面構成情報を利用して製品構成マスターを作成することを考えます。
しかし、技術部門が作成した図面の構成情報と、生産に使うための製品構成マスターが異なるため、CADの構成情報に手を加えなければならないのは広く認められることです。
とすると、CADの構成情報を利用して製品構成マスターを作ると、製品構成マスターは、CADの構成情報と「構成そのものが異なる」ことになります。
一方、設計には「設計変更」がつきもの(?)です。
新図面から製品構成マスターを作成する作業も重要ですが、それに負けず劣らず重要なのが、設計変更をいかにして正確に且つ素早く製品構成マスターへ反映するかです。
上記のように「構成そのものが異なる」と、設計変更を製品構成マスターに反映することがとても難しくなってしまいます。
結果として従来は、ニーズの半分にしか応えることが出来なかったため、実現は難しく、出来たとしても特定の製品だけを対象にしたシステム程度のものでした。

しかし、TPiCS-Xの「CADデータ変換オプション」は、図面の構成情報と製品構成マスターに差があっても、設計変更を製品構成マスターに反映することが出来るようにしました。
さらに、個別生産では手配済みのデータとCADの構成情報を比べ、追加手配が必要なもの、あるいはキャンセルが必要なものをピックアップすることまで出来るようにしました。

CADの図面構成情報の取り込みインターフェイス

CADデータ変換オプション」は、CSVファイルで図面構成情報を読込みます。
TPiCS-Xが読込む
CSVファイルは、項目の並び順や、ヘッダー行のタイトルをユーザーが自由に設定出来ます。

個別生産と設計変更

TPiCS-Xでは、個別生産の場合は、CADの構成情報を利用して生産用の構成内容に変換しながらダイレクトに手配データを作って行きます。
次に、設計変更があると、図面の変更情報と既に手配したデータとの差異を見つけ出し、追加手配のデータやキャンセルのデータを作成します。個別生産の場合は、図面と生産手配の関係がシンプルですから、それらが可能になります。
CADデータ変換オプション」と「一品生産オプション」および「製番管理オプション」をお使い頂くことが必要です。
詳しくは「個別生産用システム」のページをご覧下さい。

繰り返し生産と設計変更


繰り返し生産の場合は、所要量計算で使用する製品構成マスターを作成し、変更を反映します。
ただし、変更の扱い方は個別生産とは大きく異なります。
個別生産の場合は「設計変更を どの製番に適用するか」と考えますが、繰り返し生産の場合は、「いつから(月日)反映するか」と考えます。
TPiCS-Xの「CADデータ変換オプション」を使うと、次のような流れになります。
CADの図面構成データをCSVファイルから読込みます。
CADの図面構成情報をドラッグ&ドロップで構成内容を変更します。
◆製品構成マスターに取り込みます。
◆設計変更データを
CSVファイルで読込みます。
◆変更箇所が自動的にマーキングされます。
例えば、あるユニットの構成部品が変更になったとすると、新部品には「適用開始日」欄が、不要になった旧部品には「適用終了日」欄が色表示されます。
◆ユーザーは、「開始日」「終了日」に適切な日付をインプットします。
◆[取込]ボタンをクリックし、製品構成マスターに反映します。
◆製品構成マスターは、新部品の「適用開始日」がセットされた構成データが追加され、旧部品の構成データには、「適用終了日」がセットされます。
◆所要量計算すると、「適用開始日」以降は新しい部品が手配されます。

f−MRPと設計変更


TPiCS-Xの中では、製品構成マスターに変更があると次のように扱われます。
@旧子部品も新子部品もまだ手配していない時期の切換えなら、何も問題なく設計変更を反映することが出来ます。
A旧子部品が手配済みの期間で切換えが発生した場合、所要量計算で自動的に旧子部品の手配にキャンセルが出ることはありません。所要量計算を行うと、旧子部品の手配は変更せずに新子部品に計画が立ちます。
既に手配済みの計画なので、部品サプライヤーと相談し、キャンセルできるものがあれば人為的にキャンセル伝票を発行します。
B親の計画が既に確定している期間に切替えが発生した場合、既に旧子部品を使用する引落明細データが作成されているため、そのままだと親の実績をインプットすると旧子部品が引落しされますが、新子部品を使用するように引落明細データを再作成することが出来ます。

その他

◆製番管理アイテムの場合は、在庫をリビジョン管理することができ、製番展開時にリビジョンを考慮した引当てが出来ます。
製造担当毎に製品構成マスターを変更することが出来ます。
例えば、社内で生産するときは手配しなければならない部品を社外に依頼するときは、自己調達してもらうように構成を変更することが出来ます。

 


Homeに戻る

Copyright(C) TPiCS Laboratory,Inc. All Rights